今年5月に実施される、SIMロック解除義務化。SIMロックフリー。
原則全ての端末が対象となり、
使用している端末を持ったまま他のキャリアに移行することが容易にできるようになります。
必ずしも恩恵ばかりではないSIMロック解除義務化の内容、ユーザが利用するうえでの注意点を解析していきます。
SIMロック
日本で販売されているスマートフォンで通話や通信を利用するには、キャリアのSIMを挿入する必要があります。
原則としてキャリアから購入したスマートフォンは、そのキャリア、
もしくはそのキャリアから回線を借りているMVNOのSIMでしか通信ができないのが一般的です。
キャリアがスマートフォンを安価に購入できるよう、毎月の通信料を原資として割引しているためです。
割引を受け、安価にスマートフォンを購入したユーザが短期間で回線だけを解約し、
他キャリアのSIMを挿入して利用されると「元が取れない」ことから、
他キャリアのSIMが利用できないようロックをかけているということです。
キャリアがSIMロックをかけていることで、MNPでキャリアを乗り換える際に同じ端末を利用できず、
端末を買い直す必要があるなど、ユーザに不利益を与えている部分も、競争阻害の要因となっています。
ユーザの乗り換えをしやすくし、キャリア間の競争をより促進するため、
総務省は昨年10月31日に「SIMロック解除に関するガイドライン」の改正案を発表。
12月22に改正が実施され、今年5月からのSIMロック解除義務化が決定。
SIMロックフリーでの注意点
今年5月以降に発売される端末は、業務用の組み込み端末などごく一部を除き、
どのキャリア、どの端末であっても原則SIMロック解除できるようになります。
5月より前に発売されている端末は、
5月以降に購入してもSIMロック解除義務化の対象とはならない点には注意。
義務化によってSIMロックの解除自体は大幅にしやすくなることが見込まれます。
しかし注意する点もあります。
キャリアから販売されている端末は、そのキャリア専用にカスタマイズされた端末が多いという点。
他キャリアのSIMに差し替えて利用すること自体は可能ですが、
周波数帯や通信方式の違いで本来の性能が発揮できない場合があるので、注意が必要。
auや、auの回線を使用しているmineo、UQ mobileは、
3Gの通信方式が異なるなどネットワークの仕組みがやや特殊なことから、
au以外の端末では通話や通信ができないなどの問題が生じる可能性が高いですね。
キャリアの販売施策が大幅に変化し、人気のスマートフォンが購入しづらくなる可能性がある
人気のiPhone 6のSIMフリー版は価格が8万円以上することから、
日本で人気のハイエンドスマートフォンは本来とても高価です。
キャリアが長期契約を前提として非常に安価で販売しているので、
SIMロック解除義務化で短期間での解約が増えれば大きな損害を受けることも。
継続利用を前提に端末代の高額な割引が受けられる一方、短期間で解約した場合、
従来より一層高額な解除料を支払う必要がある割引キャンペーンをいくつかのキャリアが実施しています。
短期解約者を減らす施策ですね。
端末購入サポート
ドコモがオンラインショップなどで2月20日より提供している「端末購入サポート」。
6ヵ月の継続契約を前提として端末代を割り引く一方、
6ヵ月以内に解約した場合は通常の2年縛りの解除料に加え、
(機種によって異なる)約2~3万円の解除料を支払う必要があるなど、従来より厳しい条件が設定されています。
ソフトバンクでも同様に実施されており、
今のところそうした制度をとっていないauも今後は何かしらのペナルティを設ける可能性は十分にあります。
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