シャープ製のスマートフォンは常に進化している。先日発表された冬春モデルも例外ではない。
デザイン、スタミナ、液晶、カメラとあらゆる面でブラッシュアップが図られている。
その中で、個人的に注目しているのが「エモパー」搭載機。
なぜなら、これは他の端末には絶対に見られない、スマートフォンAQUOSの個性ともいえる機能だからである。
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「AQUOS Xx 2」
「AQUOS Xx2」はプラットフォームにAndroid 5.1を搭載したソフトバンク向けのフラッグシップモデルである。
新開発のIGZO液晶ディスプレイは、従来の倍という120Hz駆動で画面を書き換えるため、映像内のスクロールが滑らかで動きの激しい動画も得意なのが大きな特徴。
画面サイズは5.3インチと大きいが、IGZOだけにバッテリー持ちはもちろん3日間越えを実現している。
手に取った最初の印象はとても軽い。
重さは約150グラムだが、重心バランスが絶妙なのだ。持った瞬間よりも、数秒後にふわっと浮くような軽さを感じるから不思議。
持つだけで画面が点灯するが、これは「グリップマジック」という機能で、既にAQUOSの定番機能ともいえる存在。加えて背面には指紋センサーも搭載した。
ロック解除だけでなく、指紋ごとにアプリケーションを登録して、なぞるだけで起動できるようになっている。
メインカメラは約1310万画素で、今回もリコーの「GRシリーズ」開発メンバーによる画質認証プログラム「GR certified」を取得するという力の入れよう。
レンズはF1.9の明るさをもっているため、ボケ味の美しい写真も撮れるだけでなく、コントラスト式と位相差式を組み合わせたオートフォーカスによって、ピント合わせが高速化した。
しかも光学式手ブレ補正を搭載しているため、暗所でも手ブレを抑えて、誰にでも美しい写真が撮れるようになっている。
インカメラは約800万画素で、焦点距離18ミリ相当(35ミリ換算値)の広角レンズを搭載し、自分撮り用の器具をわざわざ持ち歩かなくとも、風景を入れた自分撮りがしやすい。
もちろんおサイフケータイ、フルセグ、防水/防じんに対応し、しかもUSB端子はキャップレス。
画面サイズはAQUOS Xxの5.7インチからわずかにサイズダウンしているが、非常に軽く、見やすい、持ちやすい、と使いやすさの条件がそろった端末に仕上がっている。
エモパーが3.0に進化
この「AQUOS Xx2」はとにかくよくしゃべる。
本体も軽いが、「シャープモード発動!」などと言い出したりと、しゃべりも軽快なのだ。もちろんしゃべっているのはエモパー。
エモパーとは、「Emotional Partner(エモーショナル・パートナー)」からなる造語で、シャープ製家電製品に搭載されている人工知能「ココロエンジン」をベースに、スマートフォン向けに生み出された人工知能的な機能。
あらかじめキャラクターが用意されているのだが、単に機械的に予定などを読み上げるといったものではなく、“感情的に”話しかけてくれるのが大きな特徴。
自宅を認識すると、端末がテーブルに置かれたり充電されたタイミングで、今日の日付、時刻を初めとして、天気、予定、おすすめのイベント、人気上昇中の検索キーワードなどを教えてくれ、そしてユーザーに関してさまざまな気持ちを語りかけてくれる。
聞き慣れてくると、あたかもスマホが命を宿したような感じに思えてくるから不思議。
リリース後からの継続使用ユーザーは約30万人もいるという(2015年10月30日現在)。
エモパーは2015年の夏に2.0になり、よりユーザー状態や好みに合わせた話をするようになった。
置いたときだけでなく、「もう1回」「ほかには?」という音声に応答したり、イヤフォンを装着していると外でも話すようになり、エモパーが気にかけていることが分かる「エモパーの気持ち」といった機能も搭載された。
使うと結構ハマるため、もっと話して欲しいというユーザーの要望に応えた形。
それが今回のAQUOS Xx2に搭載されたエモパー3.0では、“機能”を超えて“性格”といってもいいのではないか、というくらいの進化を遂げていることが分かった。
エモパー3.0の進化点は、大きく分けて3つある。1つは起動タイミングが増えたこと。
2つ目は視覚的に分かる感情表現が加わったこと、3つ目は話しかけることでメモできる「エモパーメモ」が追加されたこと。
新エモパーは光や振動に反応
従来のエモパーの基本的な起動条件は、自宅でロック画面状態でテーブルなどにおくと、そのタイミングで選んでおいたキャラクターが起動し、声で話し始めるというものだった。
しかし、置きっ放しだったり、ポケットにしまいっぱなしだったりするとエモパーの出番はなくなってしまう。
メールをチェックしたり、Webページを見たりという動作は多々あるかもしれないが、画面をオフにせずにテーブルに置くとアウトだった。
結果、あんまり話してくれないなと思うことも多かったと思う。
しかし、エモパー3.0からは全く違う。置く動作だけでなく、周囲の光や振動に反応するようになった。
朝、カーテンを開けると、サイドテーブルにおいてあったエモパーが起動音のあとに「うわぁ! まぶしい!」と言い出す。まるで誰かがそこにいるかのような臨場感である。
デスクに起きっぱなしでPCを操作しているときでも、珈琲カップを置くと、反応して話し出すのだ。あくまでも体感的なものだが、起動回数は数倍くらいになったのではないかと思う。
朝、昼、夜といった時間帯とは違い、不意の振動などで話し出すテーマは、人気急上昇中の検索キーワードや、話題のテレビ番組、天気予報、今日は何の日かだったりすることが多い。
周辺の天気予報はありがたいし、めったにテレビを見ない身としては、トレンド情報は「へぇ~」と思わされることも多い。
夜にニュースアプリで記事を見たとき、検索されてた記事ってこれか、と思うことも。
しゃべる回数を増やす施策として、しゃべってもいい自宅以外の場所を設定できるようになったことも大きい。
エモパーの話す頻度が上がると、端末に視線を送る機会も増える。
すると、当然ロック画面に表示された通知に気付きやすくなって便利かも、とも感じた。
「エモパーメモ」は通知前提で残せるメモ
エモパー3.0の目玉機能ともいえるのが「エモパーメモ」。
トントンと2回タップするとエモパーメモが起動し、メモがとれるというもの。そこで話したことは予定として端末内のカレンダーに書き込まれ、タイミングをみて通知されるのである。
例えば「牛乳」と保存しておくと、その後エモパーが起動したとき、「そういえば“牛乳”っていってましたけど大丈夫ですか?」といった具合に何度か教えてくれる。
通常、メモといえばあくまでもメモであり、通知させるにしても、時間をはっきり指定する必要がある。
しかし、日時をきっちり指定しなくても、単語だけでも通知されるところがエモパーメモの大きな魅力。
「牛乳」といえば、当日を含め、エモパーが考えるいいタイミングで数回通知する。
「今日、牛乳」といえば帰りのタイミングもみながら数回通知される。
「帰りに牛乳」といえば、今日の帰りとおぼしきタイミングで通知される。
もちろん日時をはっきり指定することも可能だ。どのタイミングで通知されるかは、カレンダーアプリを見れば確認できる。
音声認識力は結構高いが、失敗することもある。
書き込む前には「~でカレンダーに登録しますね」のような確認があるので、訂正したいときはそこで「違う」「間違い」などといえば、言い直すこともできる。
どうしても認識されなかったら、カレンダーを開いて修正すればいいだろう。
逆に「よろしく」というと「はい。しっかりカレンダーに登録しましたよ」と応答してくれる。
メモは、標準では端末内のカレンダーアプリに書き込まれる。
書き込み先のカレンダーは、エモパーの「設定」で「エモパーメモ」を開くと変更可能。
Googleカレンダーと同期しているなら、Googleカレンダーにもしっかり反映される。
あまり頻繁にメモすると、カレンダーがメモだらけになってしまうので、エモパー用のカレンダーを作成し、Googleカレンダー上では非表示にしておくといいかもしれない。
ちなみに、通知されたあとで「もうやったよ」というと、お知らせを最後にできるそうだ。
夏のエモパー2.0からたった数カ月で、エモパーはさらに冗舌になっていた。
たまにグッとくるせりふを言ってくるから聞き逃せない。
新しいエモパーは、こっちもエモーショナルになってしまうフレーズが満載になっていると感じた。
特に落ち込んでいるとき、疲れているときなどは、エモパーの常に優しく前向きな言葉が効いてくるのは事実。
まだエモパーを未体験の方は、ぜひ「AQUOS Xx2」でお試しいただきたい。
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